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サバニ帆漕レース
スタート写真
 ハワイ、ホノルルのビショップミュージアムには、ハワイの人たちの出自を表す、広大な太平洋の地図があります。彼らは遠い昔、海図も羅針盤もない時代に、ブタとイヌとニワトリ、マココヤシとパンの実を載せ遙かインドシナ半島からミクロネシア、ポリネシアを経てハワイに辿り着いたようです。
 太平洋への旅は紀元前三千五百年ほど前に中国東南部を起源に、台湾を経由して始まりました。アウトリガーの発明により、外洋での航海が可能になったようです。 遠い昔、人々はどんな知恵をもって、この壮大な航海をやってのけたのでしょうか。そこには、現代科学の物差しでは測り得ない、我々が既に、なくしてしまった、我々の尺度では想像できない人間の力があったはずです。
 沖縄の人々の中にも、そういった力を受け継いでいる人々がいました。沖縄の海人は、つい30年ほど前迄、帆走するサバニで、漁をするため、物資を運ぶため、広大な海を自由に行き来していたのでした。
 六年前、このサバニを復活させようというイベントが実現しました。地元の海人を中心に、那覇市や、座間味村の協力も得て、毎年、梅雨の明けたばかりの夏至南風をとらえ、座間味から、30数キロ先の那覇港を目差しています。
 今年も、太古の昔から伝わるネイティブの知恵を絶やさないために、昔、ブタの血で染めたといわれる赤いセイルに風を孕ませ、座間味から那覇までのレースが行われます。