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サバニ詳細情報

(プレスリリース)第13回サバニ帆漕レース サー・ピーター・ブレイクメモリアル(慶良間〜那覇)

海とその文化を先人と分かち合い…
サバニを帆走する歓びを分かち合う…

サバニ写真梅雨明け直後のまばゆい沖縄の碧い海と空。 約19海里(約35.2km)のコースを、夏至南風(カーチベー)にのって、50隻余りの帆かけサバニと伴走艇や観覧艇…、総勢100隻以上の様々な船舶が帆走していきます。絶好のコンディションの中、それはそれは壮観です。この伝統的な漁船に帆を張った『帆かけサバニ』、琉球が歴史の中で培ってきた海の文化を託して大海原を疾走していくのです。

沖縄に古くから伝わる伝統的小型漁船『サバニ』
ほんの数十年前まで、沖縄の伝統的な小型船サバニは、漁に、また物資の運搬にと、沖縄の人々にとって、非常に生活に密着した帆かけ舟でした。ところが戦後、エンジンの普及につれ培われてきた帆走の技術、先人の叡智は、すっかり忘れ去られてしまったのです。
「古来、沖縄に受け継がれてきたサバニによる操船技術の復活、また帆走の再現を目指し、サバニを知る古老の知恵を次の世代に伝えていく…」、この思いで設立された帆かけサバニ保存会。加えて沖縄と本土から集まった、沖縄の海とサバニの伝統文化を何よりも大切に思う海好きが中心となり活動しているのが、『サバニ帆漕レース実行委員会』。
共に協力し合って実現されたのが『帆かけサバニ帆槽レース』です。(第4回から帆走の『そう』を漕ぐ意味の『漕』に変更)(共催:那覇市、座間味村、特別協賛スポンサー)沖縄サミットが行われた2000年からスタート、2009年度には、記念すべき10回目を迎え、新たな10年に向かってスタートしてから3年目を迎え、今年度第13回目となります。第3回目の開催から、特にレース名称に「サー・ピーター・ブレイク メモリアル」を冠しています。これは、ニュージーランドの英雄としてエリザベス女王からナイトの称号を与えられた世界的セイラーで海洋冒険家、同時に海の環境保護を訴える活動に尽力し、2001年末、その活動の最中に非業の死をとげた『ピーター・ブレイク卿』の生前の偉大な功績を称え偲ぶためと、加えてブレイク卿が第1回(2000年)開催時には、本レースの主旨に賛同し沖縄に駆けつけ、応援してくださった事を記念して設けられたものです。

大会の目玉のひとつ、沖縄で活躍する若きガラス工芸家の方々により、伝統的な手吹きガラスで制作された斬新な『優勝カップ』=サー・ピーター・ブレイク メモリアル・カップも評判を呼んでいます。出場選手はこの優勝カップのレプリカにビールを注いで飲み干すのが夢ではないでしょうか。
サバニ写真多彩な参加者、その横顔・・・。

まず地元座間味村の子供たち『海学校』チーム、地元も子どもたちの通過儀礼のような、大きな目標となっています。2001年第5回大会、NHK教育TVの『天才てれびくんMAX』の出演者と座間味村の子供たちによる混合チームの一ヶ月に亘っての練習風景はドキュメンタリーとして毎週放送され、県内外でも話題になりました。彼らの大会での活躍は目を見張るものがあり、子供だけでなく大人にも大好評を得たのです。

女性だけのチームの活躍もめざましく、現在、出産、子育てなどで休眠中の『うみないび=海のお姫様』、その元メンバーから結成された『ケセラセラ』など、常に上位争いの筆頭にいる『海想』の妹チーム『女海想』など、毎年レースの花形となっています。

第2回優勝艇『阿慶座美陽』の帆走タイムは第5回まで破られずレースレコードを誇っていましたが、練習の成果でしょうか、年々参加者のレヴェルは高まり、4時間を切るタイムも珍しくなくなりました。

座間味村の若者チーム「ざまみ丸」は2008年度、“ 夢の3連覇”を達成したのですが、そのタイムはなんと3時間3分11秒。風の強さや向きにもよりますが、古座間味浜から那覇沖まで慶良間海峡を帆を揚げウエーク(櫂)で漕いで渡ったのです。どのチームも1年がかりで準備し、春頃からレース間近まで連日トレーニングに汗を流します。県外からの参加者は時間を工面して沖縄に通います。新艇を製作して挑む人も出てきました。もう僅かしか残っていないといわれている、サバニ舟を建造できる老練な船大工たち。今では糸満、石垣、伊江島など、古老の船大工さんたちも俄かに忙しくなってきたのです。

最高齢出場者、石垣島の船大工『新城さん』は、県外の各地から集まった若者たちとチームを作り自作のサバニ艇で出場しました。

沖縄県人が一人もいないというチームもいます。実は海外からの参加者もいます。その中でも、最もスーパーな人だったのが、ポリネシア航海協会の代表を務めるハワイ伝統文化のカリスマ的存在、星の航海士『ナイノア・トンプソン』と仲間の方々でした。(2003年度 第4回) 昨年から台湾チームも大活躍しています。

このように海とその文化を愛する仲間の輪は世界的にも広がってきました。『サバニを帆漕する楽しみ』を分かち合える仲間、ユニークで情熱に溢れた参加者が一堂に会すのです。今年もどうぞご期待ください。ご取材の程お願い申し上げます。


サバニ帆漕レース実行委員会
サバニ帆漕レース運営委員会
帆かけサバニ保存会
特別協賛:アビーム コンサルティング 株式会社